2010年3月25日木曜日

本当は怖い 認知症


 これもER振り返り症例からです。
 90歳女性、もともと脳梗塞後遺症で寝たきり、認知症もあり、老人施設に入所されている方です。徐々に食思が低下してきて、全身の浮腫が強くなってきたため、緊急受診されました。
 胸部レントゲンでは肺野の透過性低下と心拡大があり、CTでは、胸水と心嚢水が認められました。血液検査ではCPK=420と軽度上昇が認められましたが、Tropは陰性でした。
 心不全の診断で入院となりましたが、研修医が、はっ!と思ってオーダーした検査が大当たり!!
 なんと、TSHが177もあり、重度の甲状腺機能低下症と判明しました!!!
 認知症があると症状の経過がよくわからず、苦労することがありますが、幸い血液検査で診断がついた症例でした。
 甲状腺機能低下症が認知機能低下を起こすことがありますが、この方の場合、どちらが先かは不明です。

2 件のコメント:

  1. 研修医GJですね!
    ついついサボりがちですが、きちんと鑑別の段取りを踏まえてたどり着いた答えだったのでしょう。
    日頃の教育のたまものですね!

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  2.  本当に、研修医Good Job!!です。1年目の最終盤に良い経験ができました。
     本人も、「これまで何回もオーダしたけど、ほんとに当たったのは初めて!」と言っていました。

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