2010年2月27日土曜日

全日本民医連第39回定期総会 最終日

 今日は、民医連定期総会の最終日です。
 1日目の全体討論、2日目の分散会での討論を受けて、本日は、議案の再提案および最終討論と採決を行いました。
 今総会は49年ぶりの新綱領の採択が議題になっていたため、議長団や議事運営委員会でも、いろんな場面を想定して対応を考えていましたが、昨日の分散会でほとんどの意見が出尽くされ、それを受けて理事会が絶妙の修正提案を提出されたこともあって、議事はスムーズに進行しました。
 予定した議案はすべて採択され、新綱領も無事採択されました。
 これからは、新綱領と日本国憲法を掲げて活動していくわけです!
 予定時刻の10分前に閉会でき、議長団も無事に終了できたことを喜び合いました。

 午後は、病院の病棟当番に当たっていたので、終了後は病院へとんぼ返りしました。
 病棟当番をしながら、内科医師部会運営委員会に参加し、夕方、帰宅しました。

 まあ、今週も忙しかったけど、充実した1週間でした〜。

2010年2月26日金曜日

一人の声が世界を変えた!

 伊藤千尋氏の本、第2弾です。
 今日の昼休みと夕方の時間に読んでしまいました。

 新聞記者として68カ国を取材したレポートです。

「各地の取材の中で感じたのは、社会の変革の背景には必ず、一人の人間の意志があるということだ。孤立する中で強権に立ち向かい、抵抗し、ついに社会正義をもたらしたのは、この世界を変えたいという意志である。それが行動に結びついたとき、夢はかなった」(p4)

 レポートは、アメリカ〜コスタリカ〜チリ〜ペルー〜ベトナム〜韓国〜フィリピン〜チェコ〜ルーマニア〜と続き、「これからの世界」で終章となります。

 銃弾をかいくぐりながら、
「事実に基づき、読んだ人が感動せずにはおれない記事を書こう」
「どんなに困難でも現場にでかけ、苦難に陥っている人々の声を聞こう」(p222)
 と取材を続けてきた著者の文章には、心を揺さぶるものがあります。

全日本民医連第39回定期総会 第2日目


 本日は、全日本民医連定期総会第2日目で、午前、午後と総会議案を討論する分散会が行われました。
 各地の取組が紹介され、無料低額診療制度を利用してお金の無い人の受診を保障する取り組みや介護、歯科、看護での取り組みなど、多彩な活動が報告されました。

 夜は、明日の最終日に向けての座長・議長・議事運営委員会・理事会の合同会議がありました。

 民医連医療とは何だろうか?と考えていましたが、
① 患者のいのちと健康を守る
 〜人権を尊重し、生存権・健康権を保障し、医療のプロフェッショナルとしての専門性を発揮する〜
② 地域づくり、ネットワークづくり
③ 健康と人権の最大の阻害因子としての戦争に反対し、平和と環境を守る
ということかな、と思い至りました。

 ちょうど、今回の定期総会は、綱領の改訂が提案されています。

 まさに、そういうことが綱領には書かれているのです。

2010年2月25日木曜日

活憲の時代〜コスタリカから9条へ〜


 本日、講演があった伊藤千尋氏の講演集で、サイン入りの本を購入して、一気に読みました。
 伊藤氏は、朝日新聞記者として世界68カ国を取材されている方です。
 
 アフリカ大陸北西のカナリア諸島には「ヒロシマ・ナガサキ広場」があって、「憲法9条の碑」がある、という話から始まって、役人と「たたかう」ために路端で憲法を購入するベネズエラのお母さんの話、平和憲法を制定して軍事費をすべて教育費に回して平和と空気と教育を輸出しているコスタリカの話など、平和と憲法にまつわる世界各国の話で、目から鱗です。

「私たちは日本国憲法を使ってきたでしょうか。9条だけじゃないですよ、基本的人権もそうです。労働権もそうですよね。ちゃんと使ってきたでしょうか。使ってきてないと思うんですよ。」(p100)

「本当に一人ひとりが輝いて生きるような社会、それを作りたいじゃないですか。何よりも、自分自身が輝いていきたいじゃないですか。そういう社会にするためにも、私たちがまず輝いて、この輝く日本の平和憲法をますます輝かせて世界に広めていく。そうなれば楽しいと思いません?そのためにはまず、自分は項考えているんだということを人々に示していく。それが出発点だと、ぼくは思っています。」 (p113)

 そうか、憲法って、使うためにあったんだ!
 活憲しましょう!!

全日本民医連第39回定期総会

 今日から3日間、京都国際会館で全日本民医連第39回定期総会が開催されます。

 私は、議長を仰せつかって、参加しました。
 
 朝、8:15から議長団の打ち合わせがあり、
 午前中、来賓挨拶〜議案の提案。
 午後、議案の質疑討論。
 
 夕方は、朝日新聞記者の伊藤千尋氏の講演会がありました。

 会場では、卒業後20年近く会っていなかった友人に会えたり、普段買えない本を買い込んだりしました。

 心配した議事の方は、滞りなく時間通りに進行し、ほっと一息です。
 

2010年2月23日火曜日

メンタル・コーチング

 スポーツを題材に、「無心」になり意図しない潜在力を発揮できた事例やメンタル強化法をいくつも紹介している。
 メンタリティの重要性はわかるが、では、どうしたら良いか、となるとやや消化不良。

 それにしても、今開催されているバンクーバーオリンピック。
 ついつい見てしまいますが、あれを見ていると、最近の若い人はメンタリティが強いなあ!と感心してしまいます。

 う〜ん、勉強になるなあ。

2010年2月22日月曜日

伝える力

 著者の池上氏はNHK「週刊こどもニュース」で11年間お父さん役を務めた方。
 子どもたちにきちんと「伝える」ためには、「まず自分自身がしっかりと理解すること」「自分がわかっていないと相手に伝わるはずがない」
 コミュニケーションに関する項では、「叱るのは一対一が大原則」「褒めるのはみんなの前で」、文章力に関する項では、「もう一人の自分を育てる」などという項目もあります。
 「話す」「書く」「聞く」能力を見直すには、良い本かもしれません。

2010年2月21日日曜日

ジョギングに行きました

 先週は、ホームステイが来て(昨日、無事米国に帰りました)、研修医症例発表会があって、初期研修委員会があって、妻の叔母の葬儀にでて、新しく家族(犬=さくらと名づけられました)が増えて、研修医のOSCEがあって、臨床研修部の会議があって、家庭医療学グループの管理会議があって、来年度の体制を決める内科科長会議があって、外部講師のカンファレンスがあって、家庭医療学グループの会議があって、とっても慌ただしかったです。
 今日は、在宅当番でしたが、特に呼び出しもなく、朝食後洗濯をして、買い物に行き、夕方ハナ(ビーグル犬)を連れてジョギングに行き(2kmほど走りました)、夜は食事をしながら家族でビデオを見てちょっとのんびりしました。

 ジョギングが気持ちよかったですね。
 週3回ほど走る時間を作れると理想的なのですが・・・

2010年2月20日土曜日

外部講師のカンファレンスと家庭医療学G会議


 今日は、外部講師のカンファレンスがありました。
 症例は、77歳の男性で、主訴は1ヶ月前から続く疲労感と食思不振です。
 生来医者嫌いでどこにもかかっていなかった方ですが、1ヶ月前から徐々に食欲がなくなり、来院5日前からほとんど食べられなくなったため、家族に付き添われて来院しました。
 鑑別診断は、感染症、内分泌疾患、膠原病、悪性腫瘍、血液疾患、代謝性疾患など多岐にわたりましたが、血液検査では汎血球減少と腎不全が認められました。骨髄穿刺をしたところ、芽球が50%以上を占めており、急性白血病の診断で他院に転院になりました。慌ただしい経過に、みんなびっくり。
 ディスカッションの後、類似の疾患の提示もあり、勉強になりました!

 午後は、家庭医療学グループのSkype会議があり、Journal clubの担当だったので、American Family Physicianから「高齢者の運動療法の指針」を訳して紹介しました。
 会議の内容も盛りだくさんで、18時過ぎに終了しました。
 お疲れ様でした!!

2010年2月18日木曜日

初期研修医OSCE

 今日は、初期研修医のOSCEが行われました。
 「頭痛」「胸痛」「腹痛」を訴える患者さん(SP=模擬患者さん)の医療面接をし、その後、上級医に対しての口頭での症例報告、鑑別診断のリストアップと次のプラン(診断プラン、治療プラン、教育プラン)の提示が課題です。

 1年目研修医がSPさんを入れたセッションをするのは、4月、11月に続いて3回目です。
 評価者からも、SPさんからも、回を重ねるほどにスキルアップしているとの声が聞かれました。
 それぞれの研修医にとっても振り返りの良い機会になったようです。

 研修医の皆さんも、SPさんも、評価者の指導医の面々も、ご苦労様でした!

2010年2月16日火曜日

また、家族が増えました。

 午後、妻の叔母の葬儀があり、休みをとって娘と一緒に参列しました。62歳の早すぎる死。心残りもたくさんあったのだろうと思うと、涙があふれました。合掌。

 その後、娘と一緒にホームステイの留学生を迎えに行き、帰り道に娘にせがまれてペットショップに寄りました。

 ちゃんと世話が出来るのか?という他の家族からの声にもめげず、娘は、どうしても飼うのだ!とお気に入りの子犬を手に入れました。

 また、家族が増えて、我が家はてんやわんやです。
 いったいどうなるのか!?

2010年2月15日月曜日

ERでトロッカ挿入

 今日は、午前は病棟で、午後、ER当番。
 右気胸の20歳男性が来院され、ERで研修医のO君がトロッかカテーテルを挿入しました。
 スムーズにいれるところを見て、1年目研修医といえども、研修を開始してもう10ヶ月になるので、結構やるもんだな!と思いました。
 夕方は、初期研修委員会。

 帰りに妻と二条生協で待ち合わせをして、買い物をして家に帰りました。

2010年2月14日日曜日

近畿地協研修医症例発表会

 今日は、大阪のクロス・ウェーブ梅田にて、民医連近畿地方協議会 第7回 研修医症例発表会が行われました。
 京都からも1年目と2年目の研修医10名が発表しました。
 今年は、1年目研修医も3回ほど予演会を行い、内容を練り上げて参加しましたが、全体のレベルも高く、座長賞を獲得したのは2年目研修医のKさんだけでした。
 でも、みなさん頑張りました!!
 ご苦労さまでした!!

 午後は、筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター教授の徳田安春先生の「スーパーレジデントのつくりかた」と題した講演があり、(1)屋根瓦方式+標準治療による教育、(2)チームワークのシミュレーションによる評価、(3)P−MEXによるプロフェッショナリズムの評価、(4)EBMのコンテストによる評価、(5)臨床研究の奨励、(6)屋根瓦式指導+指導医との対話による学習+患者から学ぶ自己学習の継続の三位一体によるスーパーレジデントの育成 について話されました。
 明快なメッセージに、学びもたくさんありました。

2010年2月13日土曜日

ホームステイ

 娘の中学校の交換留学生が我が家にホームステイに来ました。
 午前中、学校に迎えに行き、帰宅。
 夕方、一緒に買い物に行き、夕食は鍋と天ぷらを作って食べました。

 ホームステイは1週間の予定です。

2010年2月12日金曜日

研修医症例発表会予演会と胸部CTカンファレンス


 次の日曜日に近畿の民医連の初期研修医が集まって症例発表会があるので、今日はその予演会をしました。
 午後から、1年目研修医5名と2年目研修医1名の発表を一人30分くらいずつかけて検討しました。発表時間が7分なので、かなり発表内容を絞らないと時間内に収まりません。これも言いたい、あれも言いたい、ところをぐっと抑えて、コンパクトな発表になるように検討します。
 これで、なんとか本番に望めそうでしょうか。

 夕方、胸部CTカンファレンスもありました。
 アスベストに伴う良性胸水の検討から始まり、右第一肋骨に重なって見えた腺癌の症例や間質性肺炎(NSIP)の診断および鑑別、徐々に進行する空洞と胸水を伴う陰影の鑑別診断など、興味深い症例検討でした。次回の胸部CTカンファレンスは1ヶ月後です。

2010年2月11日木曜日

若者はなぜ3年で辞めるのか?

 今日は、祝日。
 家の片付けをしたり、本を読んだりして過ごしました。

 城繁幸氏(1973年生まれ、東大法学部卒業)の本です。
 富士通の人事部門に関わった経験から、「明確なキャリアプラン」を持ったグループが入社後、「希望していた業務とのギャップから強烈なフラストレーションを抱え込む」のは、日本型の年功序列システムが破綻し、若者の未来を閉ざしているからだと説きます。
 「依然としてレール(年功序列システム)が存在し続けているのも事実だ。それは世代間の歪んだ格差という形で若年層にのしかかり、彼らのモチベーションを奪っている。増え続ける新卒離職率の最大の原因は、まさにここにある。」(p154)
 それでは、その解決の処方箋は何か?
 それは、自分自身の胸の奥にある動機に従い、(年功序列という)レールを降りる勇気を持ち、「働く理由」を取り戻し、「自分で道を決める自由」を手にいれることだ、と主張します。


 そのような選択をして自分らしく働きながら、「負け組」に転落するリスクのない、社会的セーフティネットがあれば、素晴らしい社会になるのかもしれないと感じた本です。

2010年2月10日水曜日

忙しい水曜日

 朝、ERカンファレンスに少し遅れていくと、当直明けの研修医がちょうど内科抄読会の担当になっていたので、ERカンファレンスはやめになり、抄読会に参加。
 その後、予約入院の入院申し込みを書いたり、打ち合わせをしたりしたあと、病棟へ。
 11時からは、患者さんと家族との面談。
 12時30分から、研修医のための安全なCVC挿入演習セミナーがあり、エコーガイド下での穿刺の講習会。
 13時から、かもがわ出版の編集長の方が来られて、打ち合わせ。
 その後、書類を記入したりして、16時から夜診。
 祝日の前日だったので、患者さんが多いかと思っていたが、意外と少なかったので、後期研修医とのカンファレンスをしても21時には終了できた。
 外に出ると冷たい雨が降っていて、凍えそう。
 身を縮めながら地下鉄の駅に急ぎました。

2010年2月9日火曜日

インビクタス〜負けざる者たち〜

 午後、当直明け休みをとりました。
 なんとなく体も頭もぼ〜っとしていたので、医局でシャワーを浴びて、映画を観に行きました。
 共済会で取り扱っているチケットで行くと、1000円で観られるんです!(今まで知らなかった!!で、早速、共済会でチケットを手に入れて行きました。)
 クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマンとマット・デイモン主演の映画です。
 南アフリカがアパルトヘイトを打ち破って新しい国づくりを始める時代、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は、南アで開催されるラグビーワールドカップを、黒人と白人の対立をやめさせて一致団結して国づくりをする象徴的な取り組みとして位置づけます。貧困と人種対立にあえぐ国を立て直す政治の世界と、世界一を目指すスポーツの世界、大統領の護衛をするSPたちや白人・黒人それぞれの思いをイーストウッドは上手に練り上げながらクライマックスへと一気に観せます。

 とにかく、モーガン・フリーマンの存在感が圧倒的です!
 器の広さを魅せる演技で、映画全体の奥行きを出しています!!

当直明け

 昨日は、当直でした。
 救急受診はそんなに多くなかったのですが、来る人来る人重症で、結局ほとんど入院になってしまいました。
 おまけに、敗血症性ショックになった患者さんが2名あり、輸液や昇圧剤やでバタバタしました。
 当直明けの睡眠不足がこたえる年になったな〜と実感します。

2010年2月7日日曜日

上機嫌の作法

 あまり期待せずに読み始めた本でしたが、意外にためになる本でした。
 
 斉藤氏は、「むっとして、無気力でいて、なにか新しいものが生まれるでしょうか?」「円滑なコミュニケーションのための手段として、『上機嫌』な状態を自分の『技』にすることを提唱したいのです」
「不機嫌というものは何の力でもないことをはっきりさせ」「知的で上機嫌な技」を身につけよう、と主張します。
「上機嫌力の根本にあるのは『ふっきる』ことです。」
「ふっきるためには、①断言力、②想像力、③自分を笑い飛ばす力」
「不機嫌は癖になります」「しかし、不機嫌は力にはなりません」
「上機嫌な人同士が接触して起こるエネルギーには、膨大な可能性があります。人を前にしたときには上機嫌になる作法を身につける。その習慣づけによってこそ、コミュニケーションが、社会が活性化するのです。」

 自分自身と周囲を見渡して、とても実感する内容でした。

 本書のタイトルが「上機嫌力」ではないのは、筆者自身の実践や、子供対象の塾・大学生対象の講義などでの取り組みなどを入れて、作法として身につけることを目指しているからなのでしょうね。

出世花

 医局事務のTさんのおすすめで読みました。
 2007年小説NON短編時代小説賞奨励賞受賞作とそれに続く連作を収めたものです。
 母と生き別れ父と死別し、清泉寺に暮らすようになった9歳のお縁が、死者を送る「三昧聖」として成長していく物語です。
 
 ご遺体を綺麗に死化粧して送る「おくりびと」的な要素や、時には死体監察医のように死因を推理して事件を解決する捕物帳的な要素など、様々な趣向があり、流れるような筆致で読ませます。

 最後の「見送り坂暮色」は親子の機微が心に響き、バスの中で涙が止まりませんでした。

間人のかにツアー


 今年も職場の共済会の企画で、間人のかにツアーに行ってきました。
 昨日から京都も雪模様で、行きのバスの中からは雪景色が見られました。
 8時に集合し、行き帰り3時間ずつバスにゆられての強行軍でしたが、お腹いっぱい苦しくなるほど、おいし〜いかにを食べて、大満足でした。
 食後は露天風呂に入って、ほっこりしました。
 来年も、行こう〜っと。

2010年2月6日土曜日

研修説明会と臨床研修コア・コース

 今日は、大阪で近畿厚生局主催の臨床研修病院研修説明会がありました。
 当院の研修医も参加して、医学生さんに初期研修の説明を行いました。

 私は、昼で会場を後にし、京都に戻り、14時からの臨床研修コア・コースにぎりぎり間に合いました。
 16時に終了し、帰宅。

 帰りの地下鉄で娘と一緒になり、一旦家に帰った後、娘と一緒に買い物に行きました。

新訳 星の王子さま

 ふたたび、星の王子さまです。
 倉橋由美子さんの絶筆です。

 末尾の解説によれば、倉橋氏はこの物語の終わり方にずいぶんこだわり、徹底して調べたそうです。そして、自分なりの解釈で納得して、納得したあとは1ヶ月で翻訳を終えたそうです。
 訳者あとがきで、倉橋氏はこの本の解題を明快かつ的確に論じています。
「そんなわけで、この小説は、子供が書いたものでもなく、子供のためのものでもなく、40歳を過ぎた男が書いた、大人のための小説です。」

 この 訳者あとがき は、読む価値アリ! です。

若者の「うつ」

 ちくまライブラリーの新書です。
 若者の『新型うつ病」について解説しています。

 読んでいて、なるほど! と思い当たるふしがあります。

 研修医(に限らず、新卒の若者の)指導に携わる方は、必読書です!

訪問者が6000人を超えました。

 朝見たら、訪問者が6000人を超えていました。
 5000人を超えたのが1月6日でしたので、ちょうど1ヶ月で1000人の訪問があった勘定です。
 訪問していただいた方、ありがとうございました。
 これからも、宜しくお願いします。

2010年2月5日金曜日

山畑Drのハイチ救援報告と京都GIMカンファレンス

 今日は、午後、京大救急部の山畑Drの救急カンファレンスとそれに続いてハイチ地震の救援報告がありました。
 外傷後の感染や骨折で切断が必要になるケースなどスライドで紹介。2週間で500名余りの患者を診察したとのことでした。

 夜は、音羽病院で京都GIMカンファレンスがあり、研修医とともに参加しました。

 そろそろうちも発表しないと。

2010年2月4日木曜日

いろいろあっておなかいっぱい

 今日は、いろいろあってとても忙しかったです。
 朝、ERカンファレンス。
 9時から医療安全の会議
 11時から倫理委員会運営委員会
 12時30分から研修医症例発表会の予演会
 14時から医師部会議
 15時30分からER当番
 17時から救急総合内科カンファレンス
 19時から医師委員会
 ・・・・・・
 はあ〜・・・今日は本当にいろいろあった一日でした!

2010年2月3日水曜日

インストール

 綿谷りさ(京都出身です)さんの第38回文藝賞受賞作品です。デビューは17歳。
 学校生活&受験勉強からドロップアウトした高校生がコンピューターを通してみた大人の世界を通して成長する物語です。
 
 「『あんた、私のこともインストールしてくれるつもりなの?』とふざけて言って自分で笑った。子供は、そんな大げさなものじゃないけどと言ってため息をついた。」(p58)

 子どもが大人になるのに、何がインストールされるとなれるのでしょうか?
 もしくは、研修医が一人前の医師になるのに何がインストールされると、なれるのだろうか?

 不思議な読後感でした。
 やっぱ若い才能はすごい!?

2010年2月2日火曜日

星の王子さま

 サン=テグジュペリの有名な『星の王子さま」を読みました。

 王子さまはとても美しいおしゃれな花を手に入れましたが、「花はすぐに、やや気むずかしい見栄をはっては、王子さまを困らせるようになった」「こうして王子さまは、愛する気持ちが大いにあったにもかかわらず、じきに花のことを信じることができなくなった」
「『さようなら』王子さまは花に言った。花は答えなかった。『さようなら』もう一度言った。・・・『わたし、ばかだった』とうとう花が言った。『ごめんなさい。幸せになってね』」
 王子さまは花との生活に別れを告げて星を出ます。そして、星々を旅しながら、最後に地球にやってきます。ヘビやバラに出会い、キツネと出会います。
「キツネはふと黙ると、王子さまを長いあいだ見つめた。『おねがい・・・・・なつかせて!』」「『たとえば、きみが夕方の四時に来るなら、ぼくは三時からうれしくなってくる。・・・そうしてとうとう四時になると、もう、そわそわしたり、どきどきしたり。こうして幸福の味を知るんだよ!』
 そして、キツネとの別れ。「『さようなら』王子さまは言った。『さようなら』キツネが言った。『じゃあ秘密を教えるよ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。』『きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ』『きみは忘れちゃいけない。きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには永遠に責任をもつんだ。きみは、きみのバラに責任がある・・・』」

 テグジュペリの結婚生活は「三年目ぐらいから早くも不安定になり、別居したり、よりを戻したりのくり返しとなったらしい。」(訳者あとがきより)それでも「生涯離婚に至らなかった」のだとか。

 へえ〜 「星の王子さま」はそんな物語だったのです!

 それを聞いたうちのカミさんは「中年男性のための絵本だったのね」だと!!

2010年2月1日月曜日

ウェブ進化論

 4年前に出た本で、少し古いですが、コンピューター業界とインターネット界の「革命」的変化について書かれた本です。
 次の10年への3大潮流として、「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」を挙げ、その体現者としての「グーグル」と「アマゾン」について説明しています。
 Web2.0を「ネット上の不特定多数の人々を能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」と位置づけ、「ネット上の『不特定多数無限大』を信頼できるかどうか」が次の世代の挑戦だとしています。

 「グーグルは自らのミッションを『世界中の情報を組織化し、それをあまねく誰からもアクセスできるようにすること』と定義している。(中略)『世界政府ってものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣に与えられているミッションなんだよね』」というグーグル創始者の二人が生まれたのが1973年。(ビル・ゲイツが生まれたのが1955年)
 1990年代生まれの世代が次に何を創っていくのか、これからの10年が楽しみです。

いのちのカルテ


 いのちのカルテ 読みました。
 本の帯には「いのちに格差はない 患者によりそう医療を貫いて個室料をとらずに頑張る病院 感動のルポ」とあります。

 実は、私が研修1年目にお世話になった病院の話です。
 「病院がここまでやるか?!」みたいな話ですが、22年前に私が働いていた頃から、こんな病院でしたので、違和感はありません。
 でも、昨今の格差社会、健康破壊はその頃とは比べようもなく問題を深化させているのだと実感します。

 私としては、あとがきの石橋先生の文章に感動しました!!