2010年3月25日木曜日

本当は怖い 嘔吐


 ERの振り返り症例です。
 80歳代の女性。他院に血液疾患で通院中。2日前からの嘔吐と食思低下でPM11時にER受診。腹痛、胸部不快感、下痢なく、現在は嘔気嘔吐もないとのこと。腹部はやや膨隆し腸音は亢進しているが、圧痛、反跳痛はない。心電図は異常なく、血液検査では軽度の脱水所見と軽度の低ナトリウム血症のみ。
 胃腸炎か、と考え、経過を見ていたが症状がどうもすっきりしない。腹部膨隆も気になるので、レントゲンを取ったところ、立派なイレウスが!! 
 腹部CTでは、左骨盤部に嵌頓した小腸が認められ、閉鎖孔ヘルニアと診断されました。
 腹痛のないイレウスで、危うく見逃すところでした。
 こっちの胃が痛くなりそうです。

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