2009年8月17日月曜日

不明熱!その2

 80台の男性。呼吸不全で人工呼吸管理となったあと、脳梗塞を発症し、呼吸不全改善後、当院回復期リハビリ病棟へ転院してきました。
 転院後、2週間ほどして、38度を超える発熱が出現し、抗生剤投与にても改善しないため、一般病棟へ転棟。種々の検査でも発熱の原因が不明でした。
 薬剤性の発熱を考え、脳梗塞発症後に開始となったプラビックスとランソラールを中止しましたが、発熱が改善しません。
 呼吸状態も徐々に悪化し、間質性肺炎の急性増悪も考えて気管支鏡を検討していたところでしたが、もしかしたら他の薬剤も可能性があるかもと思い、8月8日からすべての薬を中止したところ、4日後から発熱が認められなくなりました。
 「UCSFに学ぶできる内科医への近道」の不明熱の項には「薬剤熱:投薬開始後1〜3週間して発熱し、中止後も2〜3日継続することが多いが、1年前から内服している薬が熱の原因となることがある。代謝産物が排泄されるまで熱が続くこともある。入院中の患者では非常に多い。相対的徐脈、発疹、好酸球増加が特徴で、熱のわりにはケロッとしていることが多い。健康食品(サプリメント)を薬と思っていない患者もいるので注意して問診する。」と書かれています。
 この症例も、相対的徐脈が見られ、熱のわりには食事も全量摂取で、解熱しているときは比較的元気にされていました。たしかに!
 これもまた、教訓的な症例でした。

2 件のコメント:

  1. 高木先生
    ナマケモノFPと申します。
    先日は私の「裏」ブログへ訪問いただき、ありがとうございました。
    こちらのブログも読ませて頂きましたが、勉強になりますね!
    これからも時々おじゃまさせて頂きます。
    よろしくおねがいします。

    もしよろしければ「表」ブログもご覧下さい。
    家庭医の日常を主に診療所の利用者向けに紹介しております。
    http://blog.livedoor.jp/sarabetsu2001/

    ナマケモノFP

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  2. コメントありがとうございます。
    京都でも家庭医療を盛り上げていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
    もっとも、病院にいると、bio-ethical な問題に振り回されていることがほとんどで、あまり家庭医的なことはできていないのですが・・・

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