2010年6月18日金曜日

本当は怖い 「変な行動」!


 
 朝、ERカンファレンスに出た後、午前中は学会出張中の医師の代わりで総合内科外来の代診。
 80代の女性。咳が続くので、近くの診療所で健診を受け、胸部レントゲンの異常を指摘されて当院で胸部CTを施行。結果を聞きに来院されました。胸部CTの結果は右中葉の一部に気管支拡張症があり、そのため、咳と痰が続くのだろうと推察されました。去痰剤を出しておきますね、と説明して終わろうとしたときに、付き添いで来ていた娘さんが、「実は最近、行動がおかしいんです」と。あっ!これはドアノブコメント?と一瞬意表をつかれましたが、あらためてお話を伺うと、数カ月前から料理の味付けがおかしくなり、時々奇妙な行動をとり、最近では尿失禁や体温計の入れ物に水を入れて自分で驚いていたりするので、どうもおかしいのだとのこと。
 身体所見上は、異常なさそうで、そろそろ認知症が進んできたのでしょうか、などと話をしていたのですが、やはり、念のために頭部CTを施行すると、なんと、右前頭葉にLDAがあり、周囲が腫瘍様に増大しています。幸い緊急で頭部MRIの枠がとれたので、施行すると、やはりそのような所見。
 神経内科Drに相談し、脳外科へ転院となりました。
 普段のことをよく知っている人が「普段と違う」という場合は、やはり何かが起こっているのだと考えて、迅速に対応することが重要と再認識しました。あ〜わかってよかった。

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