2010年5月26日水曜日

新患カンファレンス

 昼の新患カンファレンスは研修医のM医師が症例提示してくれました。
 50代男性の心窩部痛。脳梗塞の既往があり、気管支喘息でステロイドを長期内服しておりステロイド性の糖尿病がある方です。
 夕食にビールと唐揚げを食べ、その後、突然、心窩部痛があり、数時間持続するため救急車で来院されました。
 この時点で、鑑別診断として、膵炎、潰瘍、胆石などが挙がり、見逃してはいけないものとして心筋梗塞、大動脈解離、腹膜炎が挙げられました。
 症状は、来院時には改善しており、身体所見も特別な異常を認めませんでしたが、血液検査ではWBC=10600と肝機能障害を認めました。
 画像上は胆嚢内の巨大な結石と胆嚢腫大、総胆管拡張を認めました。胆管内結石ははっきりしませんでした。
 胆石胆嚢炎の診断で入院になりましたが、ステロイド内服中の患者さんなので、症状がマスクされたり感染が急速に悪化する可能性があるので要注意です。
 胆道感染症でよくみられる起炎菌や抗生剤の選択についても少し触れて、カンファレンスを終了しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿