2009年11月26日木曜日

Crowned dens syndrome


 80代の女性。左頸部痛と発熱で来院。頸髄症なども疑われ、整形外科対診されるも、特異的な所見なく、入院となった。入院後、左膝関節の主張と熱感があり、偽痛風と診断。NSAIDS処方され、症状改善して退院となったが、後でCTを見直してみると、C2 軸椎の背側に石灰化が!入院時の頸部痛も偽痛風=Crowned dens syndromeであった!!
 別の80代女性。頭痛と項部硬直を主訴に入院。認知症があり、詳細は不明。髄膜炎が疑われ、髄液検査が行われたが、きれいな髄液で髄膜炎は否定。CTで、頭蓋内病変も否定的であったが、入院後左手関節の主張が出現し、偽痛風と診断。頸椎のCTを再度見直してみると、これもCrowned dens syndromeであった!!
 Crowned dens syndromeは、軸椎周囲の靭帯への結晶沈着によって起こり、多くはピロリン酸カルシウムによって起こるそうです。髄膜炎やPMR(リウマチ性多発筋痛症)との鑑別が問題となることがあります。偽痛風は高齢者に多い疾患ですが、後頸部〜後頭部痛を訴える高齢者を見たら、鑑別に入れる必要があります。結構見過ごされているかもしれません。

1 件のコメント:

  1. なかなか鑑別が難しそうですね。
    しっかり覚えておいて疑えないとダメですね!

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