2009年9月30日水曜日

Dr Shah 最終日


 今日は、Dr.Shahの最終日でした。
 1年目研修医のO君が症例提示してくれました。
 症例は、77才の女性で、主訴は呼吸困難。高血圧と高脂血症、糖尿病、ASO、LADへのステント留置の既往があり、心不全で入退院を繰り返しています。入院日の夜に突然呼吸困難感が出現し、息子さんにつれられて来院され、そのまま入院となりました。
 病歴からのDr Shahの診断は、高血圧性心疾患と虚血性心疾患による左室収縮不全からの急性左心不全。下肢の浮腫もあるので、右心不全も起こしている。不整脈の既往もあるので、PSVTの可能性もある。心電図では、おそらく、左室肥大、左房拡大、右室肥大の所見が認められるであろう。LADにステントを留置しているので、P波の増高不良(PPRW)もしくはQSパターンが認められるであろう、との予測。胸部レントゲンでは、左室肥大、左房拡大、心胸郭比の拡大、肺動脈拡張、大動脈拡張、急性肺水腫(バタフライ陰影)が認められるであろう、と。なおかつ、心エコーでは、左室肥大、左房拡大、MR、前壁運動低下、収縮不全(EF低下)、拡張不全、肺動脈圧上昇、右室肥大が見られるであろう、との予測。
 実際の心電図、胸部レントゲン、心エコーの所見と照らし合わせてみると、心エコー上、壁運動は全般に低下していたことと、肺動脈圧は意外に高くなかったこと、右室肥大は顕著でなかったこと以外はすべて予測の範囲でした。
 ベッドサイドでは、入院後一時挿管・人工呼吸管理を受けたとは思えないほど元気になった患者さんにビックリし、それでも頸静脈波形の観察、心尖拍動の触診による左室肥大の診断、聴診での3音の聴取などの身体所見を学びました。
 今日で、Dr Shahの臨床指導は終わりですが、また来年の再会を誓って別れました。
 Dr. Shahは、研修医諸君の症例提示を高く評価してくれました。
 研修医諸君、ご苦労様でした!
 

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