2013年5月10日金曜日

京都GIMカンファレンス

 京都GIMカンファレンスに参加して来ました。
 今回もなかなか勉強になりました。

 症例1「MRSA感染」とかけて、「登山」と解く、その心は、、、

 70才女性 RAと変形性関節症で、両膝と左股関節人工関節置換の既往があり、高血圧、心房細動、DMがある。COX2阻害薬による発疹のため、皮膚科に入院し、ステロイド内服で軽快したが、DVT→肺塞栓→IVC filterとなった。入院40日目に39.9℃の発熱と右膝関節、左股関節の疼痛、腫脹が出現し、整形外科と総合内科での加療を開始した。熱源はMRSAによる化膿性関節炎と判明し、MRSAとの長い戦いが・・・入院209日目に感染収束と判断されたが、223日にCRP再上昇あり、感染再燃と考え、LZDとRFPを開始。235日目頃から食欲不振、嘔気出現し、食事摂取量が著明に低下。制吐薬も無効。265日目に一過性のせん妄があり、266日めに意識障害(JCS=100) 血圧低下(BP=60/ −)頻呼吸・大呼吸(RR=30)が出現した。 ここで、ある検査によって、病態が判明!その検査とは?

→ あまり遭遇しないが、知っておくべき病態!


 症例2 火星人来襲

 64才男性 躁うつ病で近医クリニック通院中。ADL自立。独身だが、妹夫妻と同居。来院当日朝、普段のように起床せず、尿失禁あり。BT=37.6℃。夕方、妹夫妻が帰宅した際、朝と同様の状態で動けないため、救急要請し、18時に受診。BT=39.2℃で、インフルエンザA迅速が陽性。血液検査でCK=8113, Na=148。その後CKは88363まで上昇、Naも169まで上昇。1週間後のMRIで脳梁膨大部にDWIで高信号域を確認。意識障害と高CK、高Naの原因は?

→ 高Na血症の鑑別を再確認。


 症例3 汗をかかなくても消臭剤
 
 41才男性。 幼少期より四肢末端に氷水に長時間つけたような痛みを自覚。小学生時、蛋白尿を指摘。中学生時疼痛発作の程度が悪化。20歳代で疼痛は全身に拡大し、疼痛のため自殺未遂したこともあった。いくつかの医療機関を受診するも原因不明。運動時に汗をかきにくく、運動したり暑い時に痛みが増悪する。胸背部に皮疹がある。精査のため入院。

→ ここまでの病歴で診断がつくでしょうか? プライマリケア医や小児科医はこの病歴でピンとこなければいけません!とのことです。(でも、遭遇することはほとんど無さそうですが)
 ちなみに私は、NEJMのCPSでこの症例を読んでいました。

 NEJMの症例は、52歳の男性で原因不明の腎不全で1年前に腎移植の既往があり、突然発症の心房細動で救急受診した症例でした。それには、「高血圧歴のないLVHでは、心筋症とアミロイドーシスとこの病気を考えなさい」とあり、とくに腎病変を合併する時は、アミロイドーシスとこの病気を考える必要がある、とあります。
 う〜ん、深い!