2009年12月9日水曜日

CVA

 先週の外来に受診された30代の男性。
 夏の終わりから咳が出現し、近位で2週間抗生剤を服用したが、改善せず、最近は咳がひどく出て、夜横になれない、朝も咳がひどい、と訴えて来院されました。
 タバコは20本×19年、焼酎200ml×5日/週、1年半くらい前からハムスターを飼っている。
 診察上は特に異常なし。胸部レントゲンでは、浸潤影なし。
 病歴から、咳喘息を疑い、追加検査をオーダーし、アドエア・ツロブテロールテープ・メプチンエアーを処方して、1週間後の今日、再受診されました。
 開口一番、「薬はよく効きました。咳は殆ど出なくなりました」と喜ばれました。
 追加検査の結果は、末梢血好酸球=16.7%、IgE=374IU/ml、IgE(RAST) ハムスター上皮=1.62UA/ml (正常〜0.34)と判明し、ハムスターによる咳喘息(Cough Variant Asthma)と診断がつきました。
 ハムスターは咳喘息の要因として頻度が高いようです。飼い始めて数カ月から数年たって症状が出ることが多いようです。(1年目前後が最も多いとのこと)
 ペットが原因になる喘息はペットを飼うのをやめれば症状は改善しますが、ペットを手放すことができないことが多いため、治療に難渋することがあります。
 この患者さんには、禁煙を勧め、ペットとの接触をできるだけ避けるようにアドバイスしましたが、果たして家族はおやじの健康をとるかハムスターをとるのか・・・

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